胆泥症というものを栄養学で考えると、
胆泥ができるのは、胆汁の中のコレステロールが上昇することにより、レシチンと胆汁酸のバランスが悪くなり、胆汁の粘張度が高くなることが考えられます。
コレステロールとレシチンと胆汁酸のバランスが悪いということですね。
だから、胆汁酸の生成とレシチンが含まれる食事を積極的に摂ればいいということになると思います。
レシチンとは?
レシチンは鶏卵(黄身)にたくさん含まれていますので、鶏卵がオススメです。
レシチンは脂質ではありますが、脂肪ではありません。
こんなことを書くとややこしくなりますが、脂質と脂肪については、ペット食育2級認定講座でお伝えしております。
レシチンはリン脂質です。
生体膜の成分もまたリン脂質です。
中性脂肪はグリセロールに脂肪酸が3つくっついているのですが、リン脂質はそのうちの一つが脂肪酸の代わりにリン酸1分子と別の物質の1分子を付けています。
その別の物質というのが、コリン、イノシトール、エタノールアミンという物質です。
これらを総称してレシチンと呼んでいます。
コリンもイノシトールもビタミンの仲間になります。
イノシトールを含んだレシチンは大豆に多く含まれ、エタノールアミンを含んだレシチンは卵黄に多く含まれています。
レシチンには中性脂肪を乳化して流すはたらきがあります。
簡単にいうと、体内で不要なあぶらを肝臓へ回収し、胆汁酸に混ぜて捨ててくれるというわけです。
脂質の問題は脂質で解決しようということです。
腎臓では水に溶けないものの処理ができないので、脂質の処理は肝臓が担っています。
鶏卵がオススメ!という理由には、主にレシチンが豊富に含まれていることと、胆汁酸の原料になる含硫アミノ酸が含まれていることです。
しかし、胆泥症の多くは食事だけで解決できる問題だけではないと思います。
食事以外の原因を考えると、胆石や胆泥が形成される大きな要因の一つとしては、胆嚢収縮機能の低下が問題になることがあるといわれています。
特に犬は血液検査でALPの数値が高い子が多いように思います。
血液中のALPが上昇する理由の1つが、胆汁のうっ滞(流れが滞ること)です。
胆汁の流れが滞る代表的な病気は胆石症や胆管炎といわれています。
細菌感染の対策も必要ということで、日々のケアも大事だと思います。
胆泥症については、ペット食育1級認定講座で詳しくお伝えさせていただきます。
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