犬猫に与える水は何がいいですか?

犬猫に与える水はどんなものでもいいと思いますが、アルカリイオン水が体にいいとか、ミネラルウォーターは尿路結石の原因になるのでやめた方がいいなど、いろいろな意見があります。

多くの飼い主さんは、少しでも体に良いものをお探しの方が多いですが、それだったら、飲ませる水を気にするより口内除菌や環境除菌に力を入れた方がいいのに。

と思ってしまいます。

では、本当にアルカリイオン水は体にいいのでしょうか?
また、ミネラルウォーターを与えると尿路結石の原因になるのでしょうか?

まずは、アルカリイオン水ですが、これを飲むと酸性の体質がアルカリ性になるというのが売り文句で体にいいといわれているのではないかと思われます。

はたしてそんなことが起こるのでしょうか?

そんなことが起こるわけないですよね。

体の体液は常に弱アルカリ性で、極めて狭いpH(ペーハー)の範囲に調整されています。

そもそも弱アルカリ性の水を飲めば体内がアルカリ性になるという発想が短絡的です。

胃酸が強い酸性であることを知っていれば、それがいかにばかげているかわかります。

胃を通った水がアルカリのまま腸で吸収されるわけがないですよね。

化学では、酸性・アルカリ性のレベルを示す方法としてpH(ペーハー)値を使います。

pH7.00が中性、これより大きければアルカリ性、小さければ酸性としています。

例えば、pH7.00を基準として、その数値からどれだけ外れているかでアルカリ度と酸度を表すとわかりやすいと思います。

人間の場合ですと、体液のpH値は、7.35~7.45が正常とされています。

これはpH7.00を基準としてたときに、アルカリ度が0.35~0.45ということになります。

この値が、0.30になったら危篤状態といわれていますので、体液が酸性になることはあり得ないことなのです。

体液のアルカリ度が下がるのを、体液が酸性になるとよくいわれますが、体液が酸性になるという表現は間違いで、体液のアルカリ度が下がるという表現が適切だと思います。

体液のアルカリ度が下がると身体の具合が悪くなるのは、酵素の働きがにぶるからだと考えられています。

酵素には至適pH値というのがあって、それより大きくても小さくても酵素の活性は落ちるのです。

だからこそ、体液のアルカリ度は、デリケートにコントロールされているのです。

アルカリイオン水を飲んでも体内のpHに影響はないということがわかります。


次に、ミネラルウォーターを与えると尿路結石の原因になるのでしょうか?

犬猫の尿路結石に多いストラバイト結石の原料がミネラルにあることから、そのようにいわれていると思います。

ミネラルなんてどんな食事にも入っていますよね。

このミネラルはリンとマグネシウムということだと思いますが、鶏ささみなどの肉類にはリンが入っていますし、海藻などにはマグネシウムが含まれています。

だから、ミネラルウォーターを飲んだからって、それが尿路結石の根本的な原因になるわけがないです。

尿路結石のことは、私が開催するペット食育2級認定講座でも詳しくお伝えさせていただいております。
 

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