血液検査をしたのに何もケアをしないのはもったいない

健康診断という名目で犬猫の血液検査をされる飼い主さんは多いのではないでしょうか。

犬猫が痛い思いをしてせっかく血液検査をしたのに、その結果をケアにいかせていない飼い主さんが多いように思います。

それは飼い主さんが血液検査の意味をよくご存じではないからではないでしょうか?

犬の場合は肝臓や胆管の数値、猫の場合は腎臓の数値が主ではないかと思います。

特に犬のALPの数値で、極端なALPの上昇があるにもかかわらず大きな問題がないと思っている飼い主さんが多いです。

ALPはアルカリフォスファターゼという逸脱酵素の一つで、肝臓・胆道疾患、胆汁流出障害の有無などの指標で、胆管に炎症があるときにも高くなる数値です。

ALPが高値になっている子は消化器に問題がある子が多く、空腹時に吐く子が多いように思います。

それは肝臓や胆管の細胞が壊されるような事態が今、犬の体内で起こっているということです。

また、肝臓の数値のALT、ASTも同じく肝細胞が壊されているような事態が犬の体内で起こっているということです。

肝臓の数値のALT、ASTはトランスアミナーゼという酵素です。

肉などのタンパク質はアミノ酸として吸収されますが、このアミノ酸からアミノ基を引き抜くと糖質としてエネルギー代謝に転用できるのですが、その際に引き抜かれたアミノ基がアンモニアとして遊離してしまうと大変なことになってしまいます。

アミノ基を引き抜く時に危険なアンモニアが遊離しないように、別の化合物にアミノ基を移転させる仕組みがあり、これをアミノ基移転反応といいます。

アンモニアは神経毒で全身に循環すれば即刻昏睡に陥ります。

だからその役割を肝臓が解毒機能として担っているわけです。

有毒なアンモニアは肝細胞で行われる尿素回路で無毒の尿素に変換されて解毒されます。

体にはすばらしい解毒機能も調整機能もあるのです。

重篤な状況になるまではこのすばらしい機能がはたらきますが、ある一線を越えるとはたらけなくなるのです。

せかっく血液検査をしたのに、その結果をケアにいかせないのは本当にもったいないです。

血液検査の結果をケアにいかすためには、その意味を理解する必要があると思います。

 

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