犬猫に人用の牛乳を飲ませてもいいですか?
という質問を飼い主さんからいただくことがあります。
ペット用の牛乳が販売されているので、そのような疑問が生じるのかもしれません。
人でも牛乳を飲んだら下痢をするという方がいらっしゃいますが、犬猫も同じだと思います。
これは牛乳に含まれている乳糖(ラクトース)を分解する酵素(ラクターゼ)が少ないか、またはその活性が弱いために起こると考えられています。
牛乳を飲むとおなかにガスがたまる、ゴロゴロする、下痢をするなどの症状があらわれることが乳糖不耐性症と呼ばれています。
果たして牛乳を飲んで下痢をするのは、それだけが原因なのでしょうか?
ラクターゼという乳糖分解酵素は、乳糖を加水分解してガラクトースとグルコースという単糖に分解する消化酵素のことです。
乳糖不耐性症は、乳糖が消化吸収されずに大腸に送り込まれることから起こるといわれています。
すると、腸内細菌は乳糖を分解してガスを出し、腸を圧迫したり、多量の水分が一気に大腸に送られ下痢をするということと考えられています。
でも牛乳を飲んでも下痢しない人や動物のすべてがきちんとラクターゼの分解を受けているのか?
って思いませんか?
たとえ、ラクターゼの活性が弱くても、腸内細菌のバランスがよければ下痢を引き起こさないのではないか?
という考え方もできますよね。
また、牛乳以外の飲食物の種類が変わったぐらいで下痢をするような腸内環境は改善すべきではないでしょうか。
特に犬猫に牛乳を飲ませたらダメという理由もありませんが、下痢が続くようなら飲ませる必要もないと思います。
余談になりますが、
大腸菌も好んでブドウ糖(グルコース)を分解してエネルギー源にします。
大腸菌にグルコースの代わりに乳糖を与えるとどうなるでしょう?
大腸菌が乳糖を利用するためにはラクターゼで単糖にまで分解しなければいけません。
面倒くせー!
ということになります。
だからグルコースがあればそんな面倒なことはしないのです。
だって、わざわざ乳糖分解酵素を作る必要がないからです。
無駄なことはしないということですね。
しかし、グルコースがなく乳糖しかなかったらどうでしょう?
大腸菌にとって乳糖は面倒くさい、つまりおいしくない糖ですが、生きていくためには面倒とかいってられないので、
乳糖分解酵素を自前で作るようになるということです。
体の機能ってすごいですね。
犬猫の食事については、ペット食育2級認定講座で詳しくお伝えさせていただいております。
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