犬猫のアレルギーで悩んでいらっしゃる飼い主さんも多いのではないでしょうか?
わが子のの皮膚トラブルを飼い主さんはアレルギーとおっしゃいますが、ホントにアレルギー? と思うことがあります。
うちの子はアレルギー体質だから○○の食材はダメ、○○の成分がフードに入っているからダメとおっしゃる方もいらっしゃいます。
そもそもアレルギー体質という「体質」が存在するのでしょうか?
アレルギーのことを考えるうえで、欠かせないのが免疫機能です。
免疫は、体に侵入した異物を攻撃してくれる優れたシステムです。
しかし、すべての異物に対して攻撃をしていたら生きてはいけません。
なぜなら、毎日食事や飲水物などを口から取り入れているからです。
体には、口から入って消化管を通る「異物」には反応しないよう、免疫を抑制するしくみがあります。
これを「経口免疫寛容」と呼んでいます。
人の場合、昔から、漆職人は、漆によるかぶれを防ぐために幼いころから漆を舐める、という話は有名な話です。
口から入ったものは異物とみなさないとする経口免疫寛容が漆に対して成立することで、皮膚に付着した漆への反応も抑えられるといいます。
一方、食べ物に対し、経口免疫寛容がうまくいかずに免疫が反応してしまう現象が、食物アレルギーです。
卵や小麦、そばなどに含まれる物質に対して抗体が産生され、全身にさまざまな症状を引き起こしてしまいます。
ここで、卵が、小麦が、そばが、とありますが、「これに含まれる物質」というところがポイントだと思います。
食品の品質や加工食品ということも大きくかかわってくるのではないでしょうか。
では、なぜ、経口免疫寛容がうまくはたらかなくなるのか?
何がきっかっけで、本来は無害な相手を敵とみなしてしまうのだろうか?
その原因として、最近では「経皮感作」(けいひかんさ)という現象が明らかになっているようです。
昔から、アトピー性皮膚炎のある子供は食物アレルギーを起こしやすいという事実が知られていました。
以前は、いわゆる「アレルギー体質」によるものだと考えられていたようですが、最近では、バリア機能が破綻した皮膚で、経皮感作が起こりやすいことが原因だと考えられるようになったのです。
つまり、免疫はどうやら口から入ったものには寛容になり、皮膚のバリアを突破して入ったものは異物とみなすようなのです。
そして、食物アレルギーは、周囲の環境にある食べ物が、皮膚を通して「異物」という記憶を植え付けてしまうことで起こると考えられています。
犬猫の皮膚トラブルをアレルギー体質と決めつけ、食事のせいにしたり、薬で症状を抑えるという手段を長期に渡って
おこなった場合、改善を望むのはかなりハードルが上がるのではないでしょうか。
皮膚バリアが破綻しているのはなぜ?
と考えて、そこにアプローチできるケアをしないと改善は難しいのではないかと思います。
犬猫のアレルギーにつきましてはペット食育1級認定講座でお伝えしております。
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