人間も動物も食後の幸福感って大事だと思いませんか?
私たち人間も動物も栄養を摂るだけの目的で食事を摂っているわけではないと思います。
犬のケアの相談でよくお聞きするのが、うちの子は朝起きたら黄色い泡みたいなものを吐いていますということです。
つまり、空腹で胆汁酸や胃液を吐くということですね。
これは放置しておくとヤバいのではないかと思います。
子犬のころは何も問題がないのに、年齢を重ねるごとに胆嚢、胆管、膵臓が病んでくるというぐらい、ここが病気の始まりということが多いのではないかと思います。
また、猫の場合は消化器の問題で吐いているのか、毛玉を吐こうとしているのかが難しいところですが、いっしょに暮している飼い主さんでしたら、その区別はできるのではないかと思います。
犬の胆嚢が悪くなりやすいのは、犬の食性が大きく関わっているのではないでしょうか。
犬猫の食性については、ペット食育2級認定講座でお伝えせていただいております。
涙やけや毛やけなどの排泄不良を起こしている子、空腹時に吐く子などは特に胆嚢に問題がある子が多いように感じています。
胆嚢という臓器は消化に関わっている臓器です。
食事を摂ると消化を助ける胆汁酸が十二指腸に分泌されます。
これは食べたものが胃から十二指腸に送られる時、食事成分の脂肪分を乳化させて消化しやすくするためです。
いわゆる、水とあぶらの接着剤というわけです。
胆嚢を収縮させて胆汁酸を腸に出させる役割が「コレシストキニン」というホルモンです。
胆汁酸を腸に分泌させるのは、腸の基底顆粒細胞という細胞が食物中の化学物質を感じ取って、「コレシストキニン」というホルモンを血液中に放出されるからです。
「コレシストキニン」は、33個のアミノ酸からなるペプチドで消化管ホルモンの一つです。
ペプチドとはタンパク質のことです。
「コレシストキニン」の、「コレ」は「胆汁」、「シスト」は「袋」、「キニン」は「動かすもの」ということで、胆汁をためる袋である胆嚢を収縮させて、胆汁を腸に出させるという意味です。
さらに、食後に基底顆粒細胞から「コレシストキニン」の濃度が高まると、脳に働きかけて満足感や幸福感を引き起こすとともに、眠けを催すといわれています。
基底顆粒細胞は、その発見者によって「腸の中の味細胞」というあだ名がつけられて、「ああ、良いものを食べたし、幸せ、満足」という感覚だそうです。
ということは、胆汁酸の分泌がうまくいかないなどの不具合があると、食後の幸福感や満足感が損なわれるということですね。
せっかく美味しい食事を食べたのに、満足感が少ないのはなんだか切ない気がします。
胆嚢や胆汁酸、あぶらのことは、ペット食育2級認定講座の栄養学でお伝えさせていただいております。
ご興味のある方は、ペット食育2級認定講座へお越しください。
ペット食育2級認定講座の詳細は、 こちら
最近のコメント