犬猫の皮膚病は、皮膚の問題、皮膚が弱い、体質ですか?

犬猫の皮膚病は、皮膚の問題でしょうか?

皮膚が弱いから皮膚病になるのでしょうか?

はたまた体質なのでしょうか?

犬のマラセチア皮膚炎というのをお聞きすることがありますが、マラセチアというのはカビの仲間でどこにでもいるものです。

そんなどこにでもいるカビや菌が皮膚には常在しています。

多くの方が常在菌という言葉は聞いたことがあると思いますが、常在菌とは何でしょうか?

私たちも動物も生まれてくる前、母親の胎内にいた胎児のときは無菌状態といわれています。

ところが生まれた瞬間から私たちも動物も菌にまみれて、ずっと菌との共生生活が始まります。

体の表面、特に皮膚や口内、消化管内など外界に接する部位に、さまざまな細菌やカビなどの常在菌が定着します。

常在菌というときは、一般的にウイルスは除かれますが、もちろんウイルスもすみついています。

人間の場合、体にいる常在菌の数は膨大で、大腸を中心とした腸内には約100兆個、口の中には約100億個、皮膚には約1兆個もいるといわれています。

私たちや動物の全身をおおう皮膚は、外界からの病原菌から体を守る保護壁になっています。

皮膚は大きくわけると、表皮、真皮、皮下組織にわけられます。

皮膚の一番下は基底層で、新しい細胞ができています。

それが順々に表面に向けて押し上げられ、約2週間で一番外側の角質層を作っていきます。

角質層の厚さは約0.02ミリメートルと非常に薄いのですが、外側から刺激物質の侵入や水分の流出を防ぐ役割があります。

角質細胞は約2週間で少しずつはがれ落ちていき、これがアカやフケといわれています。

表皮全体は約4週間で、新しく生まれ変わります。
約6週間という説もあるようなので、詳しくはわかっていないということです。

ターンオーバーという言葉を聞くことがあると思いますが、新しい細胞が基底層で生まれ28日間かけて、角質層まで上がってはがれることをターンオーバーといいます。

だから、皮膚の表面に危険な菌が付着しても、4週間で角質細胞ごとはがれ落ちます。

ということは、皮膚にはバリア機能があるので、通常は皮膚の表面に付着した菌などが侵入することはないということです。

しかし、何らかの事情でバリア機能がはたらかなくなり、菌などの侵入を許して皮膚のトラブルが発生するということです。

これは、皮膚の問題ですか?皮膚が弱いからでしょうか?体質でしょうか?

違いますよね。


これは、皮膚のバリア機能の問題だと思います。

病原菌にもなる菌がいても、皮膚常在菌のバランスがとれていれば、守られるシステムがあります。

そのシステムが崩れたときに、病原菌にもなる菌が大増殖を始めたりするわけです。

それが、犬猫に多いのは排泄不良が一つの原因ではないでしょうか。

本来、体内でいらなくなったものは、尿や便で正規のルートで捨てられるようにできています。

それができなくなったときに、体の出られるところから出てくるということですね。


しくみを知って対策をすれば、菌やカビなど怖くはないです。
ウイルスもまた同じです。

これは私たちや動物がずっとずっと昔から共生しているものなのですから。

皮膚の菌も、口の菌も、腸の菌も、そのバランスが崩れたときに問題が起こるのです。

なんでもかんでも除菌、殺菌、抗菌薬の乱用をすると、体に有用な菌まで減らしてしまう。

適切なケアで、有害な菌を減らすことが問題解決に繋がるのではないでしょうか。
 

病気と食事(栄養)については、ペット食育1級認定講座で詳しくお伝えさせていただいております。
 

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