動物性脂肪が大事な理由

植物性であるか動物性であるかが大きな問題になるのは、なにもタンパク質だけではありません。

脂肪というものにおいても、かなり深刻な問題になるのです。

脂肪とよばれる物質は、脂肪酸とグリセロールとの化合物の形をとります。

だから、脂肪酸の種類だけ脂肪の種類があるということになります。この辺が少しややこしいですよね。

脂肪酸のような有機酸はアルコールによって中和されて中性脂肪になります。

そして中和によってできた中性脂肪のような物質をエステルといいます。

このグリセロールはアルコールの仲間で、一般的に「~オール」という接尾語はアルコールを意味しています。

ビタミンEも成分名はトコフェロール、ビタミンAも成分名はレチノール、「~オール」がつきますので、アルコールということです。
脂溶性のビタミンに分類されます。

大部分の脂肪酸は、糖またはアミノ酸から体内で合成できるのですが、それができないか、合成に時間がかかる脂肪酸のことを必須脂肪酸とよんでいます。

これはペット食育2級認定講座で詳しくお伝えさせていただいております。

1929年にラットを用いた実験が行われました。

このころは、まだ局所ホルモンのプロスタグランジンという物質(炎症反応物質)の研究が行われていなかったのです。

その実験は、脂肪を全く含まない餌でラットの子を育てるという実験です。

どうなったかというと、

成長がとまって尻尾や皮膚がおかしくなったといいます。

つまり、毛が抜けたり尻尾にウロコが生えたりしてきたといいます。腎臓にも出血があったという記録がありました。

私たち人間や犬猫もきっと同じようになるのでしょう。
人間には尻尾はありませんが、毛や腎臓はヤバいですね。

このことから、ラットの体から脂肪分がなくなってしまったということなのでしょう。

次に、このラットにステアリン酸を与えてみました。
これは牛脂など動物性の成分です。

また、オレイン酸も与えてみました。
これは植物性でオリーブオイルの成分です。

しかし、この場合、症状の改善はまったくなかったといいます。

そして、水素添加をした綿実油を与えてみました。
水素添加をするということはトランス脂肪酸ですね。マーガリンのようなものです。

すると、症状はかえって悪化したといいます。

まぁ、今となれば当然の結果ですが。

ステアリン酸やオレイン酸のような脂肪酸だと自家合成も期待はできたのでしょうが、トランス脂肪酸ではさすがに無理ですね。

そして、今度は少量のリノール酸を与えてみた。

すると、症状は一変して良くなったといいます。

その次にアラキドン酸を与えたところ、このリノール酸よりさらに効果が優れていることがわかったそうです。

このアラキドン酸は、ほとんどすべての動物性脂肪に含まれている脂肪酸です。

アラキドン酸は、オメガ6脂肪酸です。
世の中ではオメガ3系のDHAやEPAがもてはやされていますが、オメガ6も大事だということです。

炎症反応物質が作用すると、不快な症状が出ます。

しかし、これは必要不可欠なこと。

局所ホルモンのプロスタグランジンの材料は脂肪酸です。
ジホモγリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)の3つに限られています。

プロスタグランジンの作用の一部を紹介すると、

・眼圧の調整
・瞳孔の収縮
・自発運動の抑制
・体温の調節
・性腺刺激ホルモンの分泌
・心筋の収縮
・気管支の調節
・炎症の誘発
・胃酸分泌の抑制
・腸管の収縮
・血管の拡張
・血小板の凝集とその抑制
・血圧の低下
・尿中ナトリウムの排出
・大腿部の脂肪酸遊離の抑制
・排卵の誘発
・黄体の退行
・子宮筋の収縮と弛緩
などなど、

この辺にしておきますが。

こんなに体の調整機能に関わっているということです。

植物性のみに頼っているといかにヤバいことになる可能性があるかということです。

脂肪について詳しく知りたい方、あぶらの不安をなくしたい方は、ぜひ私の開催するペット食育2級認定講座へお越しください。


ペット食育2級認定講座
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