ペットの体臭が気になっている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
人間のように汗をかかないのになぜ臭くなるの？って思ったことはありませんか？

汗が持つ大きな役割の一つが体温調節です。
私たち人間は汗は全身から出ますが、ワンちゃんや猫ちゃんの汗は全身からは出ません。
汗が出る場所は足先の肉球周辺に集中しています。

では、犬猫はどのようにして体温を調節しているのか？
犬はパンティングをすることによって体内の熱を下げています。
パンティングとは、口を開けて舌を出し「ハアハア」と荒い呼吸を繰り返すことです。
猫は基本的にはパンティングをしません。
猫は毛づくろいをすることで体内の熱を下げているといわれています。

汗の分泌するところは汗腺といわれていて2種類あります。
一つは、エクリン汗腺です。
これは簡単にいうと水分を出すところです。
犬猫は全身にエクリン汗腺はありません。
足先の肉球周辺に集中しています。
そしてもう一つは、アポクリン汗腺です。
主に脇の下や陰部、肛門周りや耳の中にアポクリン汗腺があります。
これが油を出すところで、体臭を作るニオイのある汗腺です。
耳が臭いのはなぜだろう？
と思っていらっしゃる飼い主さんもいらっしゃるのでは？

体臭の原因は、摂っている油と代謝に関わりがあるということではないでしょうか。
糖質代謝はブドウ糖と酸素と水でATPエネルギーを作ります。
そこに関与するビタミンB群や鉄などの栄養素もありますが、食事を摂ると電気と二酸化炭素と水ができるという超すばらしい発電方法です。
電気はエネルギーに使われ、二酸化炭素は呼気、水は尿から捨てられます。
それがわずか37℃前後の体温で水素の中から陽子を取り出すというすごいシステムです。
そして、糖新生とは人や動物がグルカゴンの分泌をシグナルとして、ピルビン酸、乳酸、糖原性アミノ酸、プロピオン酸、グリセロールなどの糖質以外の物質からグルコースを作り出すことです。
この糖新生の中でも特にケトンを作るということが重要なカギになります。

動物の中で糖新生が一番得意な動物は、ラクダです。
ラクダのこぶは脂肪でできていて、砂漠の中で半年ぐらいは水を摂らなくても生きていけるといわれています。
また、猫も糖新生が得意な動物です。
糖新生の得意な動物は臭いともいわれ、猫のオシッコは犬と比べても臭いのではないかと思います。

そのカギになるケトン体とは？
アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンのことで、飢餓時や絶食時においてグルコースの代わりのエネルギー源として使われます。
アセト酢酸の酢酸というとお酢をイメージしていただけるとわかりやすいですが、いいニオイでしょうか？
β-ヒドロキシ酪酸の酪酸は、腐敗したニオイだといわれています。
アセトンは揮発性の高い気体で、油性のマジックインクのニオイです。
この3つとも毒性が高く臭いニオイがするのです。
アセトンは気体なので、吐く息で捨てているのですが、アセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸はアポクリン汗腺から捨てられます。
だから臭いのです。

代謝がおかしくなるとこのようなことが起こります。
代謝がおかしくなる理由は日々の食習慣と大きな関りがあるのではないでしょうか。
どのようなものをどう食べるか？何を食べないか？が大事では？

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