高タンパクの食事は犬猫の腎臓に負担をかける?

犬猫に高タンパクの食事を与えると腎臓に負担をかけるのでよくないとお聞きします。

腎臓の療法食(Kidney Food)はタンパク質含有量を制限しているので、そのような発想になるのでしょう。

そもそも、その食事にどれくらいのタンパク質が含まれると高タンパクになるのでしょうか?

高タンパクの定義がよくわかりません。

犬猫の場合、血液検査で腎臓病の指標はクレアチニンの数値ですが、血中尿素窒素(BUN)も腎臓病の指標の一つとして使われています。

この血中尿素窒素は、高タンパク食や体内で筋肉が分解されるような時にも数値が上昇します。

だから、血中尿素窒素の数値だけで腎臓の状態を推測することはできないものです。

低タンパク食にすると、この血中尿素窒素の数値は下がります。

これって、血液検査の数値の帳尻合わせをしているだけではないでしょうか。

低タンパク食が選択される根拠は、腎臓の負担の軽減にあるという理屈ですが、タンパク質の窒素は尿素や尿酸に変えられ腎臓から尿に捨てられるので、その仕事が軽くなるという論理です。

検査数値の帳尻を合わせたり、その他医療の事情については、確かに間違っていない
理論だと思いますが、体が正常にはたらくという観点から考えるとどうでしょう?

腎臓は糖新生が行われている臓器といわれています。

糖新生とは、簡単にいうと体内で糖質以外の物質から新たにグルコースを作り出すことです。

陸上で暮らしている動物にとって、睡眠中の水分をいかに維持するかというのが大きな課題なのです。

睡眠中は当然のことながら摂食も飲水もできません。

この魔の時間帯に腎臓はレニン、アンジオテンシン、アルドステロン系(ホルモン)を最大限に働かせて体内の水分を引き止めていると考えられますが、このシステムを作動させるには腎臓の遠位尿細管というところでATPエネルギーが必要になります。

低タンパク食にすると、そのツケは腎臓だけの問題ではありません。

体のしくみを考えると、わが子の腎臓が悪いといわれたときに、どのような食事を選択されますか?

詳しくは、ペット食育2級認定講座でお伝えさせていただいております。

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