腎臓の役割について

私たちも犬猫も哺乳類は、飲食物から水と塩分を摂っています。

寒い冬に窓ガラスに息を吹きかけると曇るように、息には水分が含まれているので体は水分を失いやすいしくみになっています。

その結果、体内の塩分濃度は高くなりやすいということです。

体液を調節するためには塩分を捨てる必要があります。

だから体には常に体液の濃度を一定に保とうとするホメオスタシスというはたらきがあります。

その役目を担っているのが腎臓です。

腎臓はソラマメのような形をしていて、一番外側は皮膜で覆われ、すぐ内側に皮質、さらに内側には髄質という組織があります。

皮質では血液をろ過し、髄質ではろ過した血液を濃縮しています。

皮質から髄質の近くまで糸球体という血液をろ過するフィルターがたくさん備わっています。

尿素は、髄質の中に溜められています。

髄質では腎臓の表面から奥に行くほど、溶けている物質の濃度が高くなります。
溶けているのは、主に塩分と尿素です。

哺乳類の腎臓には、尿を排出する集合管が髄質を貫くように走っています。

集合管が髄質を通り抜けるときに、周囲の高い浸透圧によって水分が引き抜かれ、尿が濃縮されます。

浸透圧とは、濃度の低い方から高い方に物質が移動する現象です。

髄質では高い浸透圧をつくるために、高い塩分濃度と尿素を利用しているのです。

だから尿を濃縮できるのは、髄質を持っている哺乳類だけだといわれています。

尿素はタンパク質を燃焼させるときに発生する物質です。

捨てなければならない物質である尿素を、尿として捨てる前に利用して尿の濃縮に使うという賢いしくみが備わっています。

腎臓の仕事はこれだけでなく多岐にわたります。

カルシウムの吸収や、血圧や体液量、血清電解質の調節に関わる内分泌系の調節をするホルモンのはたらきもあります。

血液検査で腎臓の数値といわれるものにクレアチニンという指標がありますが、これはろ過機能のみです。

だから血液検査で腎臓の数値が正常値でも、腎臓の不具合でいろいろな病気になることがあります。

心臓の肥大も腎臓の内分泌系の調節に問題があって起こることもあります。

外耳炎を繰り返すのも、後足に力が入らなくなるのも、乳腺腫瘍になるのもひょっとしたら、、、かもしれません。


腎臓のこと、心臓のことなどもペット食育1級認定講座でお伝えさせていただいております。
 

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