犬猫の腎臓が悪くなったときの食事は?

腎臓病と食事を考えるうえで、まず腎臓のことを知らないといけないですよね。


臓器の役割や代謝もわからず食事のことをどうこう言っても全く意味のないものに思われる方が多いのではないでしょうか。

腎臓といえば多くの方が知っているのは、「オシッコを作るところ」だと思いますが、腎臓という臓器のはたらきは多岐にわたります。

骨の問題であるカルシウムの吸収にも関わっていますし、体内の体液の浸透圧、pHのコントロールも腎臓という臓器の役割です。

糖新生が行われている臓器は肝臓と腎臓で、肝臓は主として全身の血糖値維持のためにグルコースを新しく合成しています。

猫の場合は、まさにこの糖新生の経路がスムーズに働くため、摂ったタンパク質をグルコースに変換し血糖値の維持を行っています。

実は、腎臓の糖新生に関してはその意義がまだよくわかっていません。

世の中まだまだわからないことだらけです。

一つの仮説として、腎臓は一般に思われている以上にATP消費の高い臓器だからではないかということです。

ATPというのは生体のエネルギーです。

体内で最もATPを消費する臓器は筋肉ですが、2番目に多いのが腎臓で、特に夜間睡眠時は単位重量あたり筋肉よりも大量のATPを消費しています。

腎臓は睡眠中は何をしていると思いますか?

腎臓も寝てますかね~?笑

睡眠中は当然のことながら摂食も飲水もできません。

陸上で暮らしている動物にとっては乾燥に対してもっとも無防備な時間帯です。

この魔の時間帯に腎臓はレニン、アンジオテンシン、アルドステロン系(ホルモン)を最大限に働かせて体内の水分を引き止めていると考えられますが、このシステムを作動させるには腎臓の遠位尿細管というところでATPが必要になります。

このために腎臓は糖新生をさかんに行っているのではかいかと思われているのです。

ATPがたくさん作られるということは、それだけ多くの活性酸素が発生するということです。

腎臓の機能を考えると、血液をろ過してオシッコを作るということは、血液中にいる病原体などの異物も免疫がはたらいて排除します。

そうすると、またまた大量の活性酸素が発生します。

このような状況を考えると、腎臓が悪くなった時に低タンパク食にするとどうなるかはだいたい想像ができると思います。

これは臓器のこと、エネルギー代謝や免疫、栄養学の知識があれば推測できることです。

そもそも低タンパクや高タンパクの定義がはっきりしていませんが、手作りで高タンパク食を作るのは無理ですよね。

こんな時こそ、タンパク質、ビタミンなどの抗酸化作用のある栄養素を摂らないといけないのではないかと思います。

エネルギー代謝とは、体の中の化学反応です。

摂った栄養素がどのように使われるかということです。

これらを知っているのと知らないのとでは、大きな差があると思います。

ペット食育1級認定講座では、栄養と病気、臓器のこと、消化と吸収、代謝と盛りだくさんでお伝えさせていただきます。

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